CASE 1
Concurrent Agreements の大規模な仕様変更
「機能追加」ではなく「契約の識別子の変更」でした。
- 契約の識別子がLicenseArnへ。「1アカウント=1契約」の前提が崩れ、DBスキーマの見直しが必要に
- ResolveCustomer/GetEntitlementsの応答が変わり、LicenseArn単位の契約追跡が必須に
- 通知経路はAmazon SNSからAmazon EventBridgeへ移行が必要に
対応済み。利用者側のコード変更はありません。
なぜ今
AWS Marketplaceは「載せるべきか否か」ではなく、「いつ載せるか」の話になっています。
ENTERPRISE PROCUREMENT
調達プロセスに、AWS Marketplace経由の購買が組み込まれ始めています。
60%
調達プロセスの高速化
Forrester TEI, 2025年5月
CO-SELL WITH AWS
共同販売の前提として、AWS Marketplaceへの掲載が求められます。
参加要件
AWS ISV Accelerate Programの参加要件に「AWS Marketplace掲載」
AWS ISV Accelerate Program
GLOBAL PROCUREMENT
海外顧客の調達要件に、AWS Marketplace経由の購買が入ってきます。
$163B
2030年のマーケットプレイス売上予測(2024年は$30B)
Omdia, 2025年10月
事業側からの掲載要請は「いつ来るか」の問題です。来たときに、技術側がボトルネックにならない準備が要ります。
出典:Forrester Consulting「The Total Economic Impact of using AWS Marketplace」(AWS Marketplace Blog, 2025年5月)/ AWS ISV Accelerate Program 公式ページ / Omdia「Hyperscaler cloud marketplace sales to hit $163 billion by 2030」(2025年10月)
掲載プロセス
掲載プロセスは4フェーズ。その負荷は均等ではなく、決定的なのはPhase 1のKYCとPhase 3の統合です。
PHASE 1
セラー登録・KYC審査(割賦販売法に基づく確認)
約1〜2週間
ここで止まるPHASE 2
価格モデル・EULA・掲載情報の登録
約5〜10日
PHASE 3
実装とテスト(FTRを含む)。工数の中心で、掲載後も続く
製品により変動
ここで止まるPHASE 4
公開申請・AWSによる審査
7〜10営業日
AWS MARKETPLACE側との連携で必要なもの
SAAS側で必要なもの
「APIを3本叩くだけ」に見えて、テナント・契約・通知・監査まで含めると、独立したサブシステムになります。そしてこのサブシステムは、AWS Marketplaceの進化に伴い更新され続けます。
※所要期間は掲載実績に基づく目安であり、AWS社が保証する期間ではありません。
いちばん伝えたいこと
AWS Marketplaceは頻繁にアップデートされます。インテグレーションは、作った瞬間から保守対象になります。
API・イベント・識別子の変更に、期限内で対応し続ける必要があります。
顧客の突合・会計処理・通知など、掲載前には気づけない課題が出てきます。
作った人しか触れない連携コードが残り、更新が止まります。
だからこそ、Deshimaはアップデートし続けます。
AWS Marketplaceの仕様変更への追従は、Deshima側の仕事。利用者側のコード変更は必要ありません。
実例
アンチパターンは自社SaaS「SaaSus Platform」をAWS Marketplaceに掲載・運用しています。Deshimaは、その運用で起きたことをソフトウェアにしたものです。
CASE 1
「機能追加」ではなく「契約の識別子の変更」でした。
対応済み。利用者側のコード変更はありません。
CASE 2
掲載前には気づけない、運用して初めて見つかる課題でした。
エンド顧客情報・AWSアカウントID・保有者情報を紐づけて保持する仕組みを提供。
出典:AWS Marketplace Blog「Complete guide to upgrading your SaaS product to AWS Marketplace Concurrent Agreements」/ AWS What's New(2026年2月)
自前実装との比較
7つの観点で、自前実装とDeshimaを比べました。
観点
自前実装
Deshima
初期実装
API連携・登録フォーム・通知基盤・IAM/EventBridge設定を自前で構築
アカウント連携で自動生成。フォーム・通知は即時提供
仕様変更への追従
AWSのアップデートを自社ロードマップで吸収(Concurrent Agreements等)
Deshimaが追従。利用者側のコード変更なし
運用課題への対処
顧客突合・通知・契約変更検知を、運用しながら作り込む
実務者が踏んだ課題を機能として提供
ナレッジ
英語ドキュメント中心。国内の先行事例が少ない
日本語の掲載ガイドとタスク一覧
セキュリティ
権限設計・認証情報の管理を自前で行う
最小権限IAMロール+ExternalId付きAssumeRole。認証情報を預からない
開発リソース
SaaS本体の開発と競合し続ける
本体の開発に集中できる
コスト構造
人件費=固定費。掲載後も変更があるたびに継続発生
初期費用・月額 ¥0。売れたときの販売手数料=変動費
自前の本当のコストは初期実装ではなく、AWS Marketplaceの変更追従が自社ロードマップに常駐することです。
提供中の機能
提供中の4機能。上の2つが情報の非対称性を埋める「インフォメーション」、下の2つが開発リソースの問題を解く「インテグレーション」です。
掲載に必要な主要タスクを一覧で把握。何が必要かが一目で分かります。
各ステップの詳細な手順書を日本語で提供。AWSの専門知識がなくても、担当者が迷わず進められます。
セラーアカウントを連携するだけで、IAMロールとAmazon EventBridgeルールを自動作成。手動実装は不要です。
購入後の利用申請フォームをすぐに利用可能。テナントオンボーディングの自動化にも対応し、購入者情報・契約情報の同期も自動で処理します。
フォームで回収した情報はAmazon EventBridgeにイベントとして発行。テナント作成やCRM連携など、後続処理は自由に組めます。
ARCHITECTURE
貴社SaaS側に残る実装は、Deshimaからのイベントを受けてテナントを作る部分だけです。
バイヤー
購入
AWS Marketplace
リダイレクト
Deshima
利用申請フォーム/オンボーディング処理
Amazon EventBridge
イベント発行
貴社SaaS
テナント作成(貴社側の実装はここだけ)
最小権限のIAMロールのみ
必要な権限に限定したIAMロールで接続
認証情報を預からない
アクセスキーは不要。ExternalId付きAssumeRole
目的外利用なし
AWS Marketplaceの販売・契約管理の目的にのみ利用
始め方
いま始めると、掲載ガイドの確認からインテグレーション機能まで、費用をかけずに確かめられます。
無料。クレジットカード登録は不要です。
何が必要かを、掲載タスク一覧で把握します。
IAMロールとAmazon EventBridgeルールを自動設定します。
購入後の登録フローを検証します。
AWS審査を経て公開。英語掲載にも対応します。
対応範囲とこれから
誤った期待を防ぐために、現在の対応範囲と、これからの構想を分けて示します。
現在の対応範囲
SaaS Contract(固定契約)型に対応
従量課金(メータリング)は対象外。ロードマップのNextで検討中
Concurrent Agreements 対応済み
2026年6月以降の新規SaaS製品の複数同時契約に対応
英語掲載は初日から対応
グローバル前提。海外顧客向けの掲載も可能
CPPO(チャネルパートナープライベートオファー)
チャネルパートナー経由の販売。初期リリースでは非対応、要望を聞きながら検討
ロードマップ
アカウント連携による購入〜オンボーディング自動化
※ ロードマップは現時点の構想です。提供時期・内容・提供の有無をお約束するものではなく、予告なく変更される場合があります。
料金
AWS Marketplaceを販路として活用する計画が立てられる段階では、個別見積もりにて特別プライシングをご提案します。
運営会社
PARTNER
2025年6月にAWS SaaSコンピテンシーを取得。国内で取得している企業は2社のみです(2026年8月時点)。
PRACTITIONER
「SaaSus Platform」をAWS Marketplaceに掲載。Deshimaの最初の利用者「顧客ゼロ」として、掲載から運用までを自分たちで体験しています。
COMMUNITY
AWSアライアンスリードが集まるコミュニティの運営をサポート。Co-Sell・Partner Central活用の知見を蓄積しています。
株式会社アンチパターン(2019年7月設立)|ミッション「日本のソフトウェアエンジニアを憧れの職業へ」
FAQ