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掲載準備と審査

AWS Marketplaceの売上受取設定|日本の銀行口座、USD、JPY送金を整理

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この記事の要点

AWS Marketplaceで有料製品を売る日本の法人は、USDを受け取れる銀行口座を登録し、USDの送金方法を設定する必要があります。口座の登録と送金方法の設定は別の作業で、後者が未設定だと製品の掲載とオファーの作成が止まります。日本円(JPY)のPrivate Offer(プライベートオファー)を作るには、事前にJPYの送金方法も設定します。日本の販売者にとって、Hyperwalletは登録の必須条件ではありません。

「銀行口座を登録すれば、売上を受け取る準備は終わり」と考えていると、AWS Marketplaceでは途中で作業が止まります。公式ガイドによれば、USDの送金方法を設定していない販売者は、製品の掲載とオファーの作成がブロックされるからです。(送金方法の設定)公式の登録手順では、口座の登録(Step 3)と送金方法の設定(Step 4)は別の手順になっています。

日本の法人は、USDを受け取れる口座を登録し、その口座を受取先とするUSDの送金方法を設定します。日本円(JPY)で価格を付けるPrivate Offer(プライベートオファー)を活用するなら、JPYの送金方法も追加します。AWSの販売者向け案内は、英国を除いて、米国の銀行口座やHyperwalletを登録の条件にしていません。(ISV Seller Journey in AWS Marketplace)

本記事は、2026年10月5日に確認したAWSの公式ガイドにもとづきます。送金方法の追加や変更はAWS Partner Centralの画面で行い、画面の名称や配置は変わることがあります。操作の前には、各出典で最新の手順を確認してください。銀行側の受取条件と手数料は取引先の銀行ごとに異なるため、取引銀行に確認してください。

売上受取の設定を構成する三つの作業

公式の登録手順では、税務情報の提供、銀行口座情報の提供、送金方法の設定、Know Your Customer(KYC)による本人確認、銀行口座の検証の順に作業が並びます。税務情報を先に済ませないと、銀行口座情報には進めません。(税務情報の提供、銀行口座情報の提供)このうち、売上の受取そのものに関わるのは次の三つです。

作業決めること公式ガイドでの位置
銀行口座情報の登録受取先の口座(名義、口座番号、SWIFTコード)Step 3
送金方法の設定通貨、受取口座、送金の頻度Step 4
銀行口座の検証口座の名義と番号を、書類で確認するStep 6

各作業の出典は、銀行口座情報の登録(Step 3)が銀行口座情報の提供、送金方法の設定(Step 4)が送金方法の設定、銀行口座の検証(Step 6)が銀行口座の検証です。

販売者登録の全体像と、登録に必要な情報の準備は、AWS Marketplaceのセラー登録で整理しています。日本の法人に必要な割賦販売法にもとづく確認は、受取口座とは別の手続きで、AWS Marketplaceの本人確認で扱っています。

銀行口座の登録で用意すべきもの

日本の法人が登録する口座

有料の製品を売る販売者には、銀行口座の情報が必須になります。(販売者の資格要件)無料の製品だけを提供する場合は、銀行情報の提供は求められません。(販売者向けガイド)

米国外の販売者(インドを除く)には、対象の国と地域にある銀行口座が求められます。その口座は、USDのワイヤー送金を受けられ、有効なSWIFTコードが割り当てられていなければなりません。(銀行口座情報の提供)日本は有料製品を販売できる対象の国に含まれるため、日本国内の銀行口座を登録できます。(販売者の資格要件)登録する口座は1つに限られず、1つ以上の口座を提供できます。(銀行口座情報の提供)

口座の名義には、注意が要ります。口座名義は、税務情報の提供で登録した法人の名称と一致している必要があり、一致しないと支払いの遅延や拒否に繋がります。(銀行口座情報の提供)

Hyperwalletは必須なのか

Step 3とStep 4の公式ガイドには、日本の法人が使う口座としてHyperwalletは登場しません。(銀行口座情報の提供、送金方法の設定)AWSの販売者向け案内(Global expansion)は、米国の銀行口座やHyperwalletを使うことを、英国の販売者を除いて登録の条件としていません。(ISV Seller Journey in AWS Marketplace)同じ案内は、対象の国と地域にある現地の銀行口座で、USD、EUR、GBP、JPY、AUDを受け取れるとも説明しています。(同ページ)

送金方法の設定で決めること

USDの設定が必須な理由

すべての販売者は、USDを送金方法に関連付ける必要があります。Public Offer(パブリックオファー)はUSDでしか作れないため、この設定がないと製品の掲載とオファーの作成が止まります。インドの販売者は例外で、INRの送金方法を設定します。(送金方法の設定)

設定の手順

公式ガイドの手順は、次のとおりです。(送金方法の設定)

  1. AWS Partner Centralにサインインし、「Settings」を選ぶ
  2. 「Payment information」タブを開く
  3. 「Disbursement methods」の欄で、「Add disbursement method」を選ぶ
  4. 通貨を選び、その通貨を受け取る銀行口座を選ぶ
  5. 送金の頻度を選ぶ。利用可能になった時点の日次か、毎月1〜28日の指定日から選ぶ
  6. 「Add disbursement method」を選んで保存する

登録して間もない場合は、公開プロファイルを作成してから送金方法を追加するまで、2営業日ほど待つ必要がある場合があります。なお、送金方法は、登録後にいつでも追加や編集ができます。(送金方法の設定、送金の管理)

経理が決めるべき項目

送金方法を設定するときに判断する項目は三つで、登録後の管理ではしきい値も設定できます。

項目選択肢と制約決めるときの観点
通貨USD、EUR、GBP、AUD、JPY。INRはインドの販売者のみオファーを出す予定の通貨に合わせる
受取口座米国のAutomated Clearing House(ACH)口座はUSDのみ。USD以外にはSWIFT口座が必要銀行が、その通貨のSWIFT受取に対応しているかを確認する
頻度日次、または毎月1〜28日資金繰りの必要と、見込む売上の量で決める
しきい値(登録後の管理で設定できる)一定額がたまるまで送金を待つ最低額を設定できる国際送金の手数料と、入金の間隔のバランスで決める

出典は、通貨、受取口座、頻度が送金方法の設定と送金の管理、しきい値が送金の管理です。同じ口座に複数の通貨を割り当てることもできます。(送金方法の設定)ただし、その銀行口座が各通貨を受け取れるかは銀行側の条件であり、取引銀行への確認が必要です。

入金のタイミングと、突合で確認しておく事項

送金のタイミング

送金は、購入者から代金が回収されたあとにだけ行われます。日次の設定では、送金できる資金が生じた時点で送金されますが、残高がプラスでなければ送金されません。月次の設定では、指定した日に送金されます。送金日から銀行口座に届くまでは約1〜2営業日で、送金の方法はACHまたはSWIFTです。なお、送金ダッシュボードへの反映は、送金の3〜5日後と案内されています。(送金の管理)

手数料と消費税

国際送金には、銀行のワイヤー手数料がかかり得ます。公式ガイドは、手数料を相殺するために、国際送金では高めのしきい値を検討するよう勧めています。(送金の管理)受取側の銀行が差し引く手数料の金額は公式ガイドに書かれておらず、取引銀行への確認が必要です。

日本に住所のある販売者が、日本に住所のあるAWSアカウントに販売する場合は、消費税の扱いも入金額の内訳に影響します。2025年4月1日以降、AWS Japanが10%の消費税を徴収し、適格請求書を購入者に発行したうえで、徴収した消費税を販売者に送金します。販売者は、日本の法人番号と消費税の登録番号をAWS Partner Central(AWS Marketplace Management Portal)に入力し、徴収された消費税を自分で納税します。(税務情報の提供)取引の形態によって扱いが分かれるため、自社の取引への適用は、税理士など税務の担当者に確認してください。

一方、AWSの販売手数料に関する公式の説明は、手数料の請求書と、販売代金から手数料を控除した送金という、別の記録を対象にしています。手数料の請求書については、販売手数料が税抜の契約総額を基準に計算され、単一の明細で表示されると説明されています。(販売手数料)送金については、多通貨のPrivate Offerでは手数料がオファーの通貨で差し引かれると書かれています。(送金の管理)販売手数料のページも、Channel Partner Private Offer(CPPO)では手数料を送金額から差し引くと説明しています。(販売手数料)そのため、実際の請求と入金は、取引ごとに、手数料の請求書と送金のレポートの両方で照合します。手数料の率は、AWS Marketplaceの手数料で扱っています。入金と売上の突合に使うレポートは、AWS Marketplaceの売上と利用量のレポートで整理しています。

銀行口座の検証はいつ必要になるのか

公式ガイドには、銀行口座の検証についての記述が三つあり、範囲の書き方が異なります。販売者の資格要件のページは、有料製品の要件の一つとして、銀行口座の検証の完了を挙げています。(販売者の資格要件)一方、検証の手順のページは、Europe, the Middle East, and Africa(EMEA)の請求主体であるAWS EMEAと、韓国の請求主体から送金を受けるために、口座の確認情報が必要だと説明しています。(銀行口座の検証)KYCのページも、銀行口座の検証を、購入者の地域(EMEAと韓国)にもとづくKYCの手順の一つとして、Amazon Payments Europe経由の送金の前提としています。(本人確認(KYC))

三つのページから、日本の販売者が日本の購入者にだけ売る場合の扱いを、一意に読み取ることはできません。そのため、AWS Partner Centralの「Know Your Customer(KYC)」タブにある表で確認します。この表には、購入者の地域ごとに、請求主体、取引のステータス、送金のステータスが並び、「Blocked」と表示された地域には、次に必要な作業が示されます。(本人確認(KYC))

検証が必要になった場合に提出する書類には、条件があります。(銀行口座の検証)

  • 口座名義が、販売者アカウントの名称と一致している
  • 口座番号が、送金先として登録した口座と一致している
  • 銀行名と所在地が、読み取れる
  • 日付は新しく、通常は直近3か月以内である
  • 銀行のポータルやアプリの画面のスクリーンショットは、受け付けられない

審査には、通常1〜5営業日かかると案内されています。(銀行口座の検証)この日数は目安であり、固定の期間として社内の計画の前提にするわけにはいきません。

日本円で受け取るための準備

JPYで価格を付けられるオファー

Public Offerの価格は、USDだけです。(送金方法の設定)JPYで価格を付けられるのは、特定の購入者に向けたPrivate Offerです。SaaSの場合、対象の料金モデルは、SaaS Contract(SaaS契約。契約期間と購入する権利をあらかじめ定め、前払いまたは支払スケジュールで請求する料金モデル)、SaaS Contract with Consumption(従量制料金によるSaaS契約。契約の料金に加えて超過分を従量で請求する料金モデル)、SaaS Subscription(SaaSサブスクリプション。時間単位の使用量に応じて請求する従量課金の料金モデル)で、通貨にはUSD、EUR、GBP、AUD、JPYを選べます。INRは、インドの販売者に限られます。コンテナ製品では、USD以外の通貨は契約のみのオファーが対象です。(Private Offerの多通貨設定)

JPYのオファーを作る前の送金設定

JPYのPrivate Offerを作る前に、その通貨の送金方法を設定しておく必要があります。公式ガイドは、オファーを作る通貨ごとに送金方法を設定してからでなければ、その通貨でオファーを作れないとしています。(Private Offerの多通貨設定)通貨の選択肢には、設定済みの通貨だけが表示されます。(送金の管理)

準備は、次の順になります。(送金方法の設定、送金の管理)

  1. USDの送金方法を設定する(すべての販売者に必須)
  2. JPYを受け取れる口座を用意する。USD以外の受取にはSWIFT口座が必要で、銀行がSWIFT経由の送金に対応している必要がある
  3. 「Add disbursement method」で、通貨にJPYを選び、受取口座を選ぶ
  4. JPYの送金の頻度を選ぶ

JPYのオファーでは、送金はオファーと同じ通貨で行われます。(送金の管理)AWSの案内によれば、購入者は契約期間を通じて販売者が選んだ通貨で請求されるため、複数年契約でも為替による請求額の変動が生じません。(ISV Seller Journey in AWS Marketplace)ただし、同じ案内は、USDでの受取を好む販売者もいるため、経理と相談するよう勧めています。(同ページ)JPYのオファーの作り方と、価格や契約条件の決め方は、AWS Marketplaceで日本円のPrivate Offerは作れる?で扱っています。

設定の前に揃えるべき情報

公式ガイドでは決まらない条件は取引銀行に確認し、残りは社内で決めておきます。着手の前に次の項目を揃えておくと、設定の途中で止まりにくくなります。

取引銀行に確認すること

  • 登録する口座が、USDのワイヤー送金を受けられるか。SWIFTコードは何か
  • JPYのPrivate Offerを活用する予定があるなら、その口座でSWIFT経由のJPY受取が可能か
  • 海外送金の受取手数料は、1件いくらか
  • 検証に使う、直近3か月ほど以内の銀行の書類を、公式な形式で発行してもらえるか

社内で決めること

  • 口座名義が、税務情報で登録した法人の名称と一致しているか
  • 送金のしきい値をいくらに設定するか
  • 法人番号と消費税の登録番号を、AWS Partner Central(AWS Marketplace Management Portal)に入力する担当者は誰か

公式手続きと社内の確認先

口座の登録、送金方法の設定、銀行口座の検証は、販売者がAWS Partner Centralで進める手続きです。KYCや銀行口座の検証が必要かどうかは、AWS Partner Centralの「Know Your Customer(KYC)」タブの表で確認します。手順に迷う点は、本記事に挙げた各出典のAWS公式ガイドで確認してください。

前節の項目は、取引銀行と、社内の経理や税務の担当者に確認します。

Deshimaの日本語の掲載ガイドは、販売者登録(公開プロファイル、税務情報、支払口座の登録)を含めて、掲載の手順の全体像を案内しています。これらの手続きは、販売者とAWSのあいだで進めるもので、Deshimaは代行しません。2026年10月5日時点で、Deshimaの提供機能に入金の管理は含まれません。

よくある質問

日本の企業はAWS Marketplaceの売上をどの通貨で受け取れますか?
すべての販売者にUSDの送金方法の設定が求められます。Public Offer(パブリックオファー)はUSDでしか作れないためです。そのうえで、Private Offer(プライベートオファー)をユーロ、英ポンド、豪ドル、日本円で作る場合は、その通貨の送金方法を追加で設定します。通貨ごとに、受け取れる銀行口座の種類が決まっています。
銀行口座を登録するだけで売上を受け取れますか?
受け取れません。銀行口座の登録と、送金方法の設定は別の作業です。公式ガイドによれば、USDの送金方法を設定していない販売者は、製品の掲載とオファーの作成ができません。送金方法では、通貨、受取口座、送金の頻度を選びます。
Hyperwalletは必須ですか?
日本の販売者には必須ではありません。AWSの販売者向け案内は、米国の銀行口座やHyperwalletを使うことを、英国の販売者を除いて登録の条件にしていません。日本の法人は、日本国内の銀行口座など、対象の国と地域にある口座のうち、USDのワイヤー送金を受けられるSWIFTコード付きのものを登録できます。
日本円のPrivate Offerを作る前に、何を設定しますか?
日本円の送金方法を先に設定します。公式ガイドは、オファーを作る通貨ごとに送金方法を設定しておくことを求めており、設定していない通貨は、オファーの作成画面で選べません。USD以外の通貨で受け取る場合は、日本円も含めて、受取口座がSWIFT口座である必要があります。
入金はいつ、どのくらいで銀行口座に届きますか?
送金は、購入者から代金が回収されたあとに行われます。送金日から銀行口座に届くまでは、おおむね1〜2営業日と案内されています。送金の頻度は、利用可能になった時点の日次か、毎月1〜28日の指定日から選びます。銀行側の受取手数料は、取引銀行に確認が必要です。
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